※この記事はあくまで参考としてください。医師等とよく相談の上で対応が必要です。
先日S-ICD(皮下植込み型除細動器)が適切作動しました。寝ている間に心室細動が起こり、S-ICDが作動して心臓を正常なリズムに戻してくれました。これはまさにS-ICDが本来の役割を果たした瞬間でしたが、それと同時に「なぜ不整脈が起こったのか?」という疑問が強く残りました。
この出来事をきっかけに、主治医の勧めと私自身の安心のため改めて血液検査やレントゲンなど確認をしてもらいました。
不整脈が発生しやすくなる原因はいくつかあるようですが、電解質のバランスが崩れることが挙げられます。特にカリウムは心臓の正常なリズムを維持するために重要なミネラルで、不足すると不整脈を引き起こしやすくなると言われています。私の血液検査の結果ではカリウム値は正常範囲内でしたが、それでも事実として心室細動が起こったことを踏まえ、今後は不整脈の発生を抑えるために薬の服用を開始することになりました。
今回は服薬の薬のこと、不整脈についてお伝えします。
ベプリジル塩酸塩錠50mg「TE」の服用開始
処方された薬はベプリジル塩酸塩錠50mg「TE」でした。循環器系に作用する薬で、心臓に刺激を伝える組織や心筋に作用して、心拍動数や異常な心筋の興奮を抑えますので、心拍数をが速くなる頻拍性といわれる不整脈に用いられる薬です。不整脈の発生を抑える作用があるとのことです。今回不整脈が発生した明確な理由はわからなかったため、強めの薬ではないものにして様子をみていくということになりました。
服用方法は朝夕1錠ずつで、これを継続することで心室細動の再発を防ぐことを目的です。
ただし服薬することで、心電図の波形が変わってしまうことや副作用が出る場合があるとのことで、定期的に経過観察が必要になっています。

不整脈が発生する原因はいくつかの要因
1. 心臓の異常によるもの
(1) 心臓の構造的な異常
- 心筋梗塞や狭心症:心筋がダメージを受けると電気信号の伝達が乱れ、不整脈を引き起こしやすくなる。
- 心筋症:心筋が肥大したり、弱ったりすると正常なリズムが崩れる。
- 心臓弁膜症:弁の異常が血流の乱れを生み、不整脈の原因になることがある。
(2) 電気信号の異常
- 洞不全症候群:心臓のペースメーカー(洞結節)の働きが弱くなる。
- 心ブロック(房室ブロック):心房から心室への電気信号がうまく伝わらなくなる。
- WPW症候群:異常な電気伝導路があることで、心拍数が異常に速くなる。
2. 心臓以外の要因
(1) 電解質の異常
- カリウム不足または過剰:カリウムは心臓の電気信号の調整に重要で、不足すると不整脈が起こりやすい。
- マグネシウムやカルシウムのバランス異常も不整脈のリスクになる。
(2) 自律神経の乱れ
- ストレスや過労:交感神経が過度に刺激されると、心拍が速くなり不整脈が出やすい。
- 睡眠不足や不規則な生活もリズムを乱す要因になる。
(3) 薬やカフェイン・アルコールの影響
- 一部の薬(気管支拡張薬、抗うつ薬、降圧薬)やカフェイン、アルコールの過剰摂取が影響を与えることがある。
(4) その他の疾患や体調の変化
- 甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモンの異常が心拍に影響を与える。
- 貧血、低血糖:心臓にかかる負担が増え、不整脈を誘発することがある。
このように、不整脈の原因は多岐にわたるため、適切な診断と管理が必要とのことのようです。
また今回血液検査の結果から現状問題はなさそうとの結果でしたが、電解質異常として、カリウムの不足により、心臓の電気信号の伝達が不安定になり、不整脈が起こりやすくなるようです。
カリウム不足の主な原因
- 食事からの摂取不足(野菜や果物をあまり食べない)※カリウムを多く含む食品は下記
- 利尿剤の使用(尿とともにカリウムが排出される)
- 激しい発汗や下痢(カリウムが失われる)
- 慢性的な腎疾患(カリウムの調整がうまくいかない)
※カリウムを多く含む食品
- バナナ
- ほうれん草
- アボカド
- じゃがいも
- 大豆製品 など
今後の通院と生活の変化
今まではペースメーカー外来でS-ICDのチェックをメインに受けていましたが、今回の心室細動をきっかけに不整脈の専門外来も定期受診することになりました。不整脈専門の診察では、薬の効果や血液データの確認を行いながら、必要に応じて治療方針を調整していきます。
そのため、通院が半年に一度から3か月ごとに変更となりました。
また、日常生活においても気をつけることが増えそうです。
1. 食生活の見直し
カリウム不足を防ぐために、バランスの取れた食事を意識することが重要になります。特に野菜や果物を積極的に摂取し、加工食品や塩分の多い食事を避けるよう心がけていくことが必要になりそうです。
2. 水分補給と適度な運動
脱水状態になると電解質のバランスが崩れやすくなるため、こまめな水分補給も大切です。また、運動不足も血流の悪化を招くため、無理のない範囲でウォーキングなどの軽い運動を取り入れていくことが必要になりそうです。
3. ストレス管理
ストレスが交感神経を刺激し、不整脈を引き起こすことがあります。仕事や生活のバランスを見ながら無理せず、リラックスする時間を意識的に作り、心の安定を図ることや職場への相談と協力が必要になりそうです。
4. 定期的な検査とS-ICDの管理
S-ICDが正常に作動しているか、定期的にチェックを受けることはこれまでと変わりません。加えて、血液検査で電解質のバランスを確認しながら、薬の調整を行っていくことになります。
これからの心構え
突然の心室細動とS-ICDの適切作動は、私にとって大きな出来事でした。しかし、S-ICDが適切に働いてくれたおかげで今も生きていることができています。
これからは、薬の服用を続けながら生活習慣を見直し、少しでも不整脈のリスクを減らしていくことが課題になります。不整脈外来の受診を通じて、専門医と相談しながら自分の体の状態を把握し、適切に対処していきたいと思います。
この経験を前向きに捉え、日々の生活をより健康的にしていくことが、今後の自分にとって大切な目標になりそうです。
服薬や不整脈のことで少しでも参考になれば幸いです。
※この記事はあくまで参考としてください。医師等とよく相談の上で対応が必要です。
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